「第20回アイスキャンドル」間もなく開催!~川沿第3町内会の事前準備に密着~

2025年1月25日(土)、26日(日) (キャンドル点灯17時、消灯19時)、 藻岩地区町内会連合会主催、第20回アイスキャンドルが開催される。

札幌市南区の川沿や中ノ沢など同地区内の12会場で、各町内会ごとに意匠を凝らしたアイスキャンドルと雪像や温かい軽食などを用意(※)し、ご来場の方々をおもてなしする。アイスキャンドルフォトコンテストも開催され作品を募集する。各会場に駐車場はないが、藻岩山のふもと、川沿・中の沢地区をカメラ片手にゆっくり歩いて会場巡りを楽しむいい機会だ。

(※) アイスキャンドル点灯のみの会場や、各町内会によってサービス提供内容は異なります。

今年も会場は川沿どんぐり公園(川沿6条3丁目・コープさっぽろソシア店の西側。近くに藻岩どんぐり公園もあるためご注意を。加えて点灯時間も18〜20時までと他の会場と異なる)にアイスキャンドルを点灯する川沿第三町内会会長の小村裕さん、有志のアイス作成チームの方々にアイスキャンドル作成の様子を伺った。

写真奥の黄色い手袋をしているのが小村裕会長
写真奥の黄色い手袋をしているのが小村裕会長

アイスキャンドル作りは天候に左右される。小村さんも天気予報を参考にアイスキャンドル作りの戦略を練る。作成場所は小村さん宅のお庭アイスキャンドルは毎年300~400個ほどできるが、今年はプラス気温になる日も多く思うようにいかない。当日までに200個は作れるように計画を立てるそうだ。日にちを追って工程を説明したい。

<1月10日・1度目の水張り>

始めに雪の降らない寒い日を選んでバケツに水を張る。1月10日に1度目の水張りをしたが暖かい日が続き、しばらく様子をみる

 <1月14日・氷確認と2度目の水張り>

1度目の水張りから4日間待ち、を取り出したのは、1月14日。100個ほどのバケツのうち、うまくできたのは半分くらい。残りの半分はバケツの胴回りにできるの壁部分が薄く、使えない。中にはバケツの底に5~10センチほどの円柱状の氷の塊ができている。気温が高いとの壁部分まで凍り付かない。残念ながら未完成の半分は雪の中に戻した。


 これまで温かい日が続いていた一方で14日の天気予報は寒波到来!氷を取り出したばかりの、空いたバケツを平らに整えた雪の上に並べる。バケツの上側より5センチ下ほどまでホースで水を入れる。2度目の水張りだ。バケツは必ず雪の上に置く。日陰で風当たりの良いところに置くのがコツだ。あとは数10年作ってきた小村さんの勘で取り出す日を決める。寒い日に2晩ほどが最適だ。

<1月16日・氷の取りだし・雪埋め>

川沿第3町内会の皆さんが集合
川沿第3町内会の皆さんが集合

 1月16日、早朝の気温はマイナス9℃。晴天。早く氷を取り出さないと中心部分まですべて凍ってしまう。キャンドルを置く空洞ができないのだ。急遽朝9時半から町内会の男女8人が集まる。いよいよ氷を取り出す。バケツをひっくり返して数個に金色のやかんに入った水をかける。そっとバケツを持ち上げると、凍らなかった真ん中にたまった水と氷が出てくる。取れないときはバケツの縁をのこぎりで撫で、再びひっくり返す。それでもだめな時は、氷の中に溜まった水をバケツに注ぎ、時間を置いてひっくり返す。するりと氷がすべり出る。できたての氷の中で気泡が太陽の光にキラキラ輝く。小村さんが「今日は最高のアイスだ!」と声を弾ませる。

 16日にできた氷は90個。フェスティバル当日まで大切に保管する。のこぎりでキャンドルを入れ込む縁の部分を整形し、スーパーでもらうようなビニール袋に、空洞になっている方を下にして氷を入れる。袋に入った氷を日陰の2か所に分け、やはり空洞になっている方を下にして並べる。その上にスコップで雪を積み上げていく。10センチ以上雪をかぶせ、お披露目当日まで溶けないようにする。凍てつく中、少しずつ高くなった太陽の光が小村さんの庭と、汗しながら作業する一人一人を包むように照らしだす。


「雪に埋めてるところも写真を撮った方がいいんじゃないの?」とスコップを持った女性が声をかけてくれ、我に返ってシャッターを切る。氷の入った90個のビニール袋はあっという間に高さ70センチ、長さ2メートルほどの盛り土(盛り雪?)2つの中に保管される。毎年やっているからなのか作業が早い。氷取り出しから雪中保管、水張りまで所要時間は40分ほどだった。

<いよいよ開催まで>

1月20日にも集合し、氷作りと氷の出来確認を行っていた。形が悪いもの、口が狭くて入らないものはキャンドルの入り口をのこぎりで削る。開催日はできた氷を川沿どんぐり公園まで車で運ぶそうだ。徒歩5分ほどだがアイス200個を運ぶのに、3〜4往復する。

ロウソクの灯も見所だ。多くはペットボトルをカットし底にキャンドルホルダーを設置する。ペットボトルにカラーをつけて色とりどりの灯で会場を華やかに盛り上げるところもある。また、木の台座にキャンドルホルダーをつけて越しに直接、灯を映す手法の会場も。川沿どんぐり公園(川沿第三町内会展示)は、ロウソク担当者がフェスティバルに向けて手作りする。キャンドルホルダーがいらないのだそうだ。川沿どんぐり公園でしか見られないキャンドルだ。取材の日は見ることができず、当日のお楽しみとのこと。

キャンドル以外も各会場、雪像を作るなど趣向を凝らしている。取材した川沿第三町内会は25日18時、子供たちがキャンドルに灯をともして開幕する。子供向けに手持ち花火も用意している。「寒い中、数百のアイスキャンドルを作る苦労は、キャンドルフェスティバルを楽しむ人たちを見ていると吹き飛んでしまう」と小村さん。開催の日に向けて、もう一度100個のバケツでを作る。

 見に来てくれる人たちの笑顔を思って、各町内会で協力し作り上げた空間が1月25日から2日間、札幌南区の藻岩地区を優しいアイスキャンドルの灯で照らす。


第20回アイスキャンドル(藻岩地区)アイスキャンドル会場情報

開催期間:1/25(土)〜1/26(日)で地区内で12カ所で開催

 

①川沿第二町内会(川沿松の木公園川沿4条3丁目1)点灯時間17時~19時

②川沿第三町内会(川沿どんぐり公園川沿6条3丁目1)点灯時間:18時〜20時

③川沿第四町内会(川沿さふらん公園川沿7条3丁目3)点灯時間17時~19時

④川沿中央第二町内会(川沿ライラック公園川沿10条3丁目6)点灯時間17時~19時

➄川沿中央第5町内会(各自宅前)点灯時間17時~19時

⑥パレス藻南公園自治会(マンション敷地内)点灯時間17時~19時

➆中ノ沢町内会(ホクレンショップ中ノ沢店敷地内)点灯時間17時~19時

⑧アイビーハイム藻岩町内会(マンションの歩道沿い)点灯時間17時~19時

⑨白樺町内会(藻岩白樺会館川沿2条6丁目2−24)点灯時間17時~19時

⑩川沿少年消防クラブ(札幌市南消防署川沿出張所 川沿2条3丁目2−12)

点灯時間:15時30分点灯〜16時 ※16時に愛の鐘がなったら解散。保護者がいる場合は、時間延長ロウソクが消えるまで川沿消防署員で管理。

⑪もいわ地区センタ−(地区センタ−玄関前 川沿8条2丁目4−15)点灯時間:17時〜19時

⑫札幌市立藻岩小学校(藻岩小学校校門入口側旧道歩道)点灯時間:17時〜19時


2025/01/16取材 林里美 (2024もいわ塾3期生)