【保育園】大地の杜

自然とのかかわりながら、たくましく成長する子ども達

建物外観(写真はすべて 提供:大地の杜)
建物外観(写真はすべて 提供:大地の杜)

 

 元製菓学校の1Fにある「大地の杜」保育園。いつも園庭で元気に子供達が遊んでいます。

 というのも、「雨が降っていなければ外遊びに行こう!」というくらい、自然の中で遊ぶことを大切にしている保育園。その遊び方もダイナミック! 

 園庭は砂が敷き詰められているので、遊び方は無限大。

 夏には穴を掘って水を溜めてタライの船に乗ったり、

 雪が降れば、山を作ってソリ滑りも楽しめます。

 子ども達はいつも泥だらけになりながら、ニコニコ笑顔で遊んでいます。



 そんな大地の杜保育園では、6つの保育理念の基、保育士さんたちが子どもたちの成長を支えてくれています。

 

 1.命を大切にする子ども

 2.自分で考え、自分の言葉で話し、自ら行動できる子ども

 3.仲間と協力して、自分達の生活をつくり上げる子ども

 4.他人の痛みを、自分のこととして思いやれる子ども

 5.美しいものを美しいと感じ、豊かに表現できる子ども

 6.ねばり強く、最後までやり抜く子ども

 どれも、とても大切なこと。

 特に、保育園で過ごす子どもたちを見ていると、子ども同士で相談しながら行動している姿が見られます。園庭で遊ぶ時も「鬼ごっこしたい人集まれー!」「お料理する!」「私も!!」など、子ども同士で楽しめることを見つけていきます。

 もちろん全て円滑に進むわけではありません。話がまとまらない時は、保育士さんが助け舟を出して、解決していくそう。まさに、保育理念3の「仲間と協力して、自分達の生活をつくり上げる子ども」。

 「全ての子ども達が最初からできたわけではありませんよ。」そう話すのは、主任保育士さん。「なかなか友達の輪の中に入れず、モジモジしてしまう子や泣き出してしまう子もいます。そういった場合は、無理に輪の中に入れるのではく、どうしたいのかを話し合って、自分の行動を決めていきます。「今は元気になれないから、元気になったら仲間に入る」という子もいるんですよ。そうやって一人ひとりとも向き合いながら、成長を見守っています。」

 そういったことを繰り返しながら、友達との関わり方を学んでいくのでしょうね。


子ども達と協力しながら、食育を実践。

 大地の杜保育園では、和食を中心とした独自の給食メニューを実施。そこには、単に栄養のバランスに留まらず、季節や文化を学ぶメニューも盛り込まれています。北海道の食材をメインに活用し、夏から秋にかけては、子ども達が育てた野菜も取り入れて給食を作っています。トマト、豆、大根、ジャガイモなど、毎年多くの野菜を育てています。毎日の水やりや雑草抜きなど、育てる大変さを知ることは、子ども達にとって心の成長にも繋がるでしょう。

 メニューには、ピーマンやごぼう、セロリなど、子ども達から人気があるとは言えない野菜もたっぷり。

栄養士さんは、「子ども達が苦手な野菜は、少量ずつでもいいから食べてもらえるように工夫しています。そうしていくと、4月には食べられなくても、12月くらいには食べられるようになってくる子が多いんです。

 あと、毎月保育士と一緒に、給食について話し合う時間を設けています。その中で、「こうしたら食べられそう」「こういうメニューだと喜びそう」など意見を出し合いながら、給食とおやつを工夫して、より楽しんで食べてもらえるようにしています。」と、子ども達に寄り添いながら、給食も日々進化をしているようです。

 年長になると、鮭を捌くところを見学する時間があります。身を切ることや血の匂いは、子ども達には衝撃的で、「かわいそう」「怖い」という声も多く出ると言います。しかし、「みんなが美味しく食べてくれたら、鮭は可哀想じゃないんだよ」と伝え、命をいただくことを子ども達なりに考える時間になっているそう。これからも、栄養士・保育士・子ども達みんなで協力しながら、楽しんで食育を続けて欲しいですね。



粘り強く、諦めない年長組。

 年長は、就学前の大切な年。この1年は大きな挑戦の連続です。

 年に数回あるお泊まり合宿。親元を離れてのお泊まりは不安でいっぱいだと思いますが、仲間と協力し合うことで不安をかき消し、お泊まりを楽しんでいるよう。

 「年中までは、とにかく思いっきり遊んでほしいと思っています。年長になると就学に向けて、『自立』を考えていかなくちゃいけないので、そのためのお泊まり合宿でもあります。合宿の後は、グッと成長することが多くて、顔つきもなんだか凛々しくなるんです。

 自分たちが住む北海道について勉強することもあります。読み書きの勉強とは違いますが、いい経験になっていると思いますね。その経験を自分のものにして、卒園後も自分らしく成長していってほしいですね。」と園長お話ししてくださいました。

 さらに、運動会では、跳び箱、逆上がり、上り棒など、難しいことへの挑戦が待っています。保育園生活で培った、諦めない気持ちで練習を重ねる姿は、下のクラスの子ども達にも大きな影響を与え、「お兄さんお姉さんのようになりたい」と、年長組になれる日を心待ちにしているのです。


藻岩地区と共に、これからも。

 開園から藻岩地区と共に成長してきた、大地の杜保育園。

 「とにかく自然に恵まれていて、地域の皆さんにも可愛がってもらってきたら今がある」と園長。「子ども達は周辺の山で遊んだり、真駒内公園にもよく散歩に行っています。体を使って遊ぶには絶好の環境ですね。ありがたいことに、栗拾いやジャガイモ掘りをさせてくれるご近所の方もいて、毎年の楽しみになっています。今年もたくさんの栗を拾わせてもらって、みんなで焼き栗を楽しみました。お土産にお家に持って帰った子もいたんですよ。」と、地域の方との交流を通して、子ども達も良い経験をしていることが、お話からも見えてきました。

 時代の変化に伴って、変化してきたこともたくさんあると言います。でも、子ども達には、変わらず元気に笑顔で過ごせる保育園であって欲しいと思います。

写真:大地の杜保育園提供 取材・文:伊勢磨希 アシスタント 2025.1.12


厚生労働省認可 乳幼児併設保育園

社会福祉法人 敬生会

大地の杜 保育園

北海道札幌市南区川沿11丁目3-82 TEL.011-572-0251(代)

開園 昭和5741

定員 70名 乳幼児併設保育園