世代を越えたスポーツ交流 藻岩高生発案の卓球大会(2024/10/14)
藻岩山の木々が色づき始めた秋。10月14日のスポーツの日には、もいわ地区センターで、一風変わったスポーツイベントが開かれました。その名も「世代間卓球大会」。企画・主催したのは、なんと藻岩高校の生徒たちです。
世代間卓球大会とあるだけに、参加対象は小学生を中心とした若者世代とシニア世代。それぞれ世代を越えたペアを組み、ダブルス戦のトーナメントを行いました。この日参加したのは、総勢16名。シニア世代の多くは週2回で、もいわ地区センターで行われている卓球サークルのメンバーです。若者世代には、応募してくれた小学生に藻岩高校の卓球部も加わり、大会が始まりました。
藻岩高校生が企画・主催
イベントの企画・募集・運営までの全てを藻岩高校の2年生で卓球部員3人が行いました。主催者の一人、秋本悠希さん(写真・右)に企画のきっかけを聞きました。
秋本さん「藻岩高校では2年生で『MSP』という探究活動があり、そのイベントとして今回この卓球大会を企画しました。グループの3人とも卓球部だったので、何か卓球を通した地域イベントが出来たらと考え、もいわ地区センターの伊藤館長に相談させていただきました。沢山の方にご協力いただいて、なんとか実現させることができました。」
MSPとは Mー藻岩(Moiwa) × 南区(Minami-ku) S ー笑顔(Smile) × 持続可能(Sustainable) Pー計画(Project) × 人々が集まる場(Platform)の頭文字をとった藻岩高校独自の教育プログラム。藻岩高校のある南区がこれからも笑顔あふれる街でありつづけるために、高校生自ら地域のことを知り、できることをみんなで考え、それを地域の人々と関わりながら実行に移すという、持続可能なまちづくりへの取組です。
初めて自ら企画・運営を行った高校生たち。開催に至るまでの苦労を聞くと「一つの企画を練り上げて、それをどう実現していくかを考え、実際に開催するまでが大変でした。企画書を作成して、もいわ地区センターまでプレゼンしに行ったり、ポスターを作るときには、どんなことを書けば参加者の方に来てもらえるだろうと悩みながら作りました。通常の授業と部活動の合間を縫いながら3人で準備を進めてきました」と教えてくれました。
大会当日を迎えてみて、秋本さんは「上靴さえあれば、予約をしていなくても参加OKにしたら良かったです。もっと小学生に来てほしかったけれど、思うようにいかなかったです。告知の仕方をもっと考えたら良かったのかもしれません。他にも、戦力の差が出る時に、ハンディをもうけるなど試合構成も考えておけば良かったです」と、この日だけでも気付くことが沢山あった模様。
手探りであっても、失敗をおそれず、まずは実行してみようと開催を決意した卓球大会。この日は、藻岩高校卓球部の部活練習日でもありましたが、「人が集まらなかったら、そっちに行くよ」と言ってくれていた部長や部員たちも駆け付けてくれて、世代を越えた交流が多く生まれました。
シニア世代の参加者からは「普段、小学生や高校生と卓球する機会はめったにないので、とても楽しかった」「運営側もやる側も手探りな感じが面白かった」「若い人たちと仲良く卓球できる、とてもいい機会をもらえた」という声がありました。
小学校で配布されたチラシを見て、すぐに応募したという小学6年生の女の子は「すごい楽しかったです!体を動かすのが好きで、すぐにやってみたい、行きたいと思えました。高校生の人と普段関わることもないので、高校生が企画したというのも興味がありました」。特に学校で卓球部に所属しているわけでもなく、卓球を楽しみたいと参加したとのこと。まさにスポーツの日にふさわしい催しとなりました。
トーナメントで試合が進んでいましたが、時間の都合や参加者の体力等も鑑みて、最後はじゃんけん大会で勝敗が決まりました。運営を終えて、秋本さんは「難しさも感じましたが、世代を越えて卓球を楽しむことができ、その機会を作れて良かったです。企画を進める上で、大人の方との話し合いも多くあり、敬語の難しさも個人的に感じ、一つ一つが勉強になりました。」と充実した表情で話してくれました。
(文・写真:御手洗志帆)