「音楽はすべての芸術とつながっている」 ピアニスト 小野寺あいさん

 札幌を中心に北海道各地で演奏活動や講演会をされているピアニストの小野寺あいさんは藻岩地区に住む。

 ピアノは幼少期からお母様に教わっていた。その後先生に就いて習っていたが、「練習は嫌いだった」という。それでもピアノは続けていたが、高校も普通科に進学し、将来もピアニストとは違う職種を探していた。そんな小野寺さんに転機が訪れたのは高校2年生の時だった。

 

 ピアノの先生から自分が好きだった曲が宿題で出された。その曲と向き合ったとき「この曲いいな」と感動し、「ピアノが好きだな!」と思ったそうだ。それをきっかけに音楽の道へ進むことを決心し、大学はハンガリー国立リスト音楽院へ進学した。

 

 帰国後はピアニストでありながら、高校の講師やピアノの先生などでも活躍する。また、絵画などの芸術も好きなので、北海道立近代美術館の協議委員を4年間勤めた。その時、協議会の議題にあがったのは常設展の集客についてだった。特別展は集客できるが、常設展はなかなか集客できない。そこで、常設展の絵画と関わりのある音楽を展示室で演奏することを提案した。実際に行われた演奏会は大盛況だった。

 

 その経験を活かし、小野寺さんは「音楽はあらゆる芸術と深くつながっている」というコンセプトの元、北海道でクラシック音楽を広めるための団体「music in art」を立ち上げた。music in artのコンサートは演奏のみならず、曲の作られた時代の背景、作曲家の交友関係や同時期の他の音楽など様々なことを小野寺さんの言葉で語る。

 

 「曲の背景を調べる事は高校生の頃から習慣としてやっていました。曲について知ることで、さらにその曲が好きになったこともあります。演奏会では曲の事を知っている人も知らない人もいる。曲に対する思いを自分の言葉で伝えることで、来てくれた人に一層興味をもってもらえるのではないかと思いました」と語る。

 このスタイルでの演奏会は好評で、小野寺さんの演奏とお話のファンも多い。

 

 また、現在もいわ地区で開いているピアノ教室では、ピアノのレッスンだけではなく毎月自身が考えた課題を設けている。例えば自分で曲を作ってみたり、作曲家について調べたりすることもある。レッスンを受けている生徒さんは幼児から大人まで様々だが、この課題も一人一人に合わせて行っている。さらに生徒さんからのリクエスト曲を集め、コンサートを開催する企画もある。音楽を楽しみながら学ぶための工夫が、小野寺さんのピアノ教室には沢山ある。

 

(文・写真:今野久代 もいわ塾2期生)

 


 

小野寺あいさん プロフィール

札幌出身 ハンガリー国立リスト音楽院ピアノ科修了

2017年ベルギーにてMusica Eterna 20th International Piano Weekに参加。札幌を中心に北海道各地でソロ、伴奏者として演奏活動やクラッシック講座を行っている。ハイメスアーティスト、北広島音楽協会、日本コダーイ協会各会員。music in art代表、小野寺ピアノ教室主宰。

music in art の演奏会、講演会情報はこちらのHPにてご覧ください

https://miamoonlive.com/

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