日本新三大夜景と料理に酔いしれる特別なひととき
札幌一高い場所にあるレストラン「THE JEWELS ーザ・ジュエルズー」。その店名の通り、まるで宝石を散りばめたようにきらめく夜景を大パノラマで眺めながら、至極のコース料理を堪能できる特別な場所だ。「札幌の夜景が一番美しく見えるレストラン」として知られ、連日予約が絶えない札幌屈指の人気レストランの一つでもある。
ロープウェイの入口は中央区だが、中腹駅や山頂は南区・藻岩地区に属するため、今回「もいわこの店」で、その魅力をたっぷりとお伝えしたい。
至極の一皿を 北海道の四季を感じるモイワ・キュイジーヌ
日本新三大夜景に選出され続ける札幌市。その夜景を贅沢に眺められるレストラン「THE JEWELS」の魅力はもちろん眺望だけではない。運ばれてくる一皿一皿に宿る美しさと遊び心、そして北海道の自然を五感で楽しめるこだわりが詰まっている。2011年の開店以来、大切に受け継がれている「モイワキュイジーヌ」というスタイル。キュイジーヌとは、フランス語で料理や調理法、特定の地域や国の料理の特徴やスタイルを指す言葉だ。藻岩山山頂だからこそ提供できるコース料理をシェフが考案し、春夏秋冬の3か月ごとにメニュー内容が変わる。コースは予約優先、希望者は山頂までのロープウェイ+ミニケーブルカーの往復乗車料金が無料となる。早めの予約がお勧め。
ディナーコースは全3コース
1.【Éclat -エクラ-】6,380円
2.【Lumière -ルミエール-】8,800円
3.【Jewels -ジュエルズ-】12,100円
Éclat(エクラ)はフランス語で“輝き”、Lumière(ルミエール)はフランス語で“光”を意味する言葉、店名を冠したJewels(ジュエルズ)は宝石で、コース名も夜景を表現する名前になっている。
料理長は「CHEF-1グランプリ」2回戦進出の注目シェフ 籠田裕亮さん
シェフの籠田裕亮さんは、全国の情熱を持った若き料理人の登竜門「CHEF-1グランプリ(シェフワングランプリ)」で2023年と2024年に2回戦進出を果たした北海道を代表する若手シェフの一人だ。2022年9月にTHE JEWELSの副料理長に就任し、初代料理長の塚本吉紀シェフの思いを引き継ぎ、4月から料理長として腕を振るっている。そんな籠田シェフがこだわり抜いたコース料理の中から店名を冠した【Jewels -ジュエルズ-】コースを紹介したい。9月から11月限定の秋を感じるメニュー内容だ。
最初に運ばれてきたのは本日のアミューズ(お楽しみ)の2品。秋の落ち葉や松ぼっくりをモチーフにした見た目がなんとも可愛らしい。
サンマは骨を丁寧に取り除き、マリネにしてから高温で香ばしく焼き上げている。松ぼっくり型のリエットは、北海道産豚肉を使い、ドライフルーツと一緒にカカオバターでコーティングされ、食感も楽しい。焼サンマに添えられていた落ち葉型チュイールの葉の先から根元までのグラデーションはTHE JEWELSだからできるオリジナルの技術だそうだ。
前菜、スープ、魚料理、メイン(肉)料理、デザートも写真ごとに紹介
前菜 「オマール海老のマリネと薩摩芋のフォンダン ヴァニラの香るアメリケーヌソース」
表面を焼き上げ香草でマリネしたオマール海老に、秋の味覚・薩摩芋で仕立てたアメリケーヌソースを滑らかな泡状に。藻岩山の夜空に輝くお月様をイメージしている。
スープ「お米と豆乳のポタージュ 旨味の泡」
北海道米「ふっくりんこ」を利尻昆布、豆乳と一緒に丁寧に炊き上げポタージュに干し椎茸やカツオ節の旨みを抽出した泡が添えられている。
魚料理「メヌケの炙り 海藻のソースヴェルモット」
北海道の深海で獲れた希少価値の高いメヌキを香ばしく炙っている。上富良野の西尾ファームから取り寄せた彩り人参のサラダを紅葉のように飾り付けている。
肉料理「敷島ファーム 高田さんの育てあげた白老産黒毛和牛フィレ肉のロースト 赤ワインのソース」
白老町の敷島ファーム高田さんの育て上げた白老産黒毛和牛のフィレ肉を低温調理で柔らかく仕上げたメイン。銀杏や椎茸、焼き葱といった秋の野菜も赤ワインソースに合う。
デザート「洋梨のカスタード キャラメルのチュイールと塩アイス」「コーヒー/小菓子」
秋のフルーツ洋梨をカスタードクリームにし、洋梨コンポートと塩のアイス、アーモンドとオレンジの香りをアクセントにしたキャラメルのチュイールが添えられたデザート。全てをスプーンで一緒に食べると口の中で洋梨のクリームブリュレになる楽しさも。
家族の記念日やプロポーズの場としても利用される「THE JEWELS」
籠田シェフは「遊び心も散りばめたコース考案を意識しています。様々な用途で訪れるお客様にとって、このひとときが最高の思い出になるよう、お客様が喜ぶ顔を想像しながら料理を提供しています」とサービスへの愛を込める。レストランにはプレミアムシートという半個室の部屋もあり、コース料金に加えてS席5,500円、A席3,300円、B席2,200円の追加料金で予約することもできる。
今回、レストランの案内やコース一皿一皿の説明をしてくださったのが、マネージャーの水上貴さん。(2024年9月取材時)お店を訪ねたのは夜の営業開始時間である17時。まだ夜景とは言えない時間だが、夕暮れから刻一刻と変わる空のグラデーションは見応え抜群だった。
水上さんも「夜景が魅力のレストランですが、私のおすすめはこの時間からご来店いただき、夜になるまで空の変化を楽しむ過ごし方です。」と話す。
THE JEWELSは料理だけではなく、スタッフのおもてなし・サービスも一流だ。次の料理までの間隔や、さりげない会話の中にも丁寧さを感じる。隣に座った外国人観光客に英語で対応するなどスタッフのレベルの高さも垣間見られた。
最後に水上支配人に藻岩地区にお住いの方へのメッセージを聞いた。「藻岩山はいつも眺めているなじみの山だと思いますが、小旅行の気分でロープウェイに乗ってぜひお越しください。多くのお客様に『夜景が売りのレストランだから料理はあまり期待していなかったけど、来てみたら期待以上だった』と言っていただきます。スタッフ一同、いい意味で皆様の期待を超える料理・サービスを提供いたします。」
夜だけではない楽しみ 土日祝は昼コース、平日はテイクアウトメニューを
コース予約が基本の「THE JEWELS」。土日祝はランチのコースメニューも楽しめる。
ランチコースは全3コース
1.【Soleil -ソレイユ-】2,750円
2.【Montagne -モンターニュ-】3,520円
3.【Ciel-シエル-】4,950円
2と3のコースは要予約。山頂までのロープウェイ+ミニケーブルカーの往復乗車料金が無料サービスとしてつく。
また、平日はテイクアウト商品のイートインスペースとして開放している。ランチタイム限定のテイクアウトメニュー「も~りすカレー」(写真・右)は藻岩山のマスコットキャラクター「も~りす」にちなみ竹炭を入れた黒いカレー。牛・豚・羊肉をじっくり煮込んでいるため、コクが深い。素揚げされた野菜とターメリックライスとの相性も抜群で、子どもにも喜ばれるメニューだそうだ。他にも季節のキッシュや興部町のノースプレインファームの牛乳を使用したソフトクリームも人気だ。
レストラン「THE JEWELS」
住所:北海道札幌市南区 北ノ沢1956番地先藻岩山山頂
定休日:なし
営業時間:
<夏期>
平日 ランチお休み ディナー17:00〜21:00(LO 19:30)
土日祝 ランチ11:30〜14:30(LO 13:30)ディナー17:00〜21:00(LO 19:30)
<冬期>
平日 ランチお休み ディナー 17:00〜21:00(LO 19:30)
土日祝 ランチ12:00〜14:30(LO 13:30)ディナー17:00〜21:00(LO 19:30)
クローズタイム:14:30〜17:00(テイクアウトは通常営業)
レストラン予約センター TEL : 011-518-6311(予約受付時間 11:00〜20:00)
※1/1はレストラン予約センターは休業
<支払い>決済方法:現金、各種クレジットカード、QRコード決済対応
<アクセス>
レストランは標高531メートルの山頂にあるため、札幌もいわ山ロープウェイとミニケーブルカーで登るか、藻岩山観光自動車道を通ってロープウェイの中腹駅に行き、そこからミニケーブルカーに乗る必要がある。藻岩山観光自動車道は冬期通行止めとなり、交通手段はロープウェイのみとなる。(2024年は11月20日が観光自動車道の最終営業日)
<お店リンク情報>
・公式HP
・Instagram フォロワー数1万人超え!フォローすると季節に合わせた様々な特典あり
取材後記
今回最も高額のディナーコースを楽しませていただいたが、値段以上のサービス、クオリティに驚いた。今度は家族の記念日に利用したい。
文・写真:御手洗志帆(もいわ塾長アシスタント)2024.10.27